スポーツ心理学者に聞く「選手に自信を持たせるためにやるべきこと」 (3ページ目)
自信づけのひとつに「勝利者のように振る舞え」というのがあります。弱そうに見えるチームが勝てるわけがありません。凹んでいて「どうしよう」という選手は下を向いているでしょう。目線、姿勢はチーム、選手のエネルギーの象徴です。試合前、「負けるだろう」と思っているのか、それとも「○○のようなプレーをしよう」と堂々と振る舞って試合会場に入るのか、そこが大切です。実際、私はラグビー日本代表でもそのような指導をしていました。日本人は特に外国人に対するコンプレックスがありましたので。日本代表の選手も一般的には大柄ではありますが、タックルされたら怖いという相談はあります。一番多かったかもしれませんね。身体の大きさ、性別、年齢は関係ありません(笑)。
選手が試合前に眠れなかったりするのは、自信がないわけではなくて、漠然とした不安があるから。その不安をうまく噛み砕いて解消してあげると不安がなくなります。
選手からではなく、監督や指導者からも相談されることはあります。相談内容は実は自信がない場合が多くて、大きな試合の前にはビビっていることが多い。監督や指導者だから弱みを見せてはいけないというわけではありません。むしろ不安に気づいて「どうすれば不安を解消できるのか?」と相談してもらえる方がいい。"勝つ"ことにこだわる監督であればあるほど、最後まで詰めたいもの。あれを練習していなかった、あそこを確認していなかった、連絡すべきことを選手に伝えたかどうかなどと、不安になります。メンタルのコンサルテーションとは、常に変わる、それぞれの状況や人に応じてのオーダーメイドのコンサルでもあるんです。
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