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桃田賢斗は生まれ変わったか。
謹慎中に考えたこと、取り組んだこと (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO

 だが、自分の動きが速くなっていることにも気がついた。最初は以前より早くシャトルの下に身体が入って戸惑う場面もあったが、動きが速くなったことで細かいショットが少しずつコントロールできるようになったという。その要因は、謹慎中に苦手なランニングやウエイトトレーニングを積極的にやるようになったからだと桃田は考えている。

「以前はフィジカルよりも技術で勝負している自分がいたし、練習も自分の思ったままにやっていました。でも、バドミントンを続けられる環境を作ってくれた会社の人たちや、支えてくれる人、応援してくれる人たちのためにもがんばろうと思って真剣に自分と向き合ったとき、技術だけで勝負しているところが自分の弱さかなと思い、苦手なものにも取り組んでいこうと思いました」

 準決勝の相手は、元日本代表の武下利一(トナミ運輸)。第1ゲームは武下が少し引いた感じでミスをしたために、前半でしっかりリードして21-15で先取したが、第2ゲームでは5-9とリードされる展開になった。だが、そこからリズムを取り直して追いつくと、中盤からは優位に試合を進め、最後は1点差まで追いつかれたが21-19で勝利した。

「長いラリーになるのは覚悟していましたが、自分が甘い球を出すとすぐに決められるから、あと半歩、一歩足を前に出していかなければダメだと思って戦いました。前までは長いラリーになると体幹が振れて耐えられなくなっていましたが、今回はそういう場面でもしっかり足を出せた。

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