銀メダル獲得も通過点。渡部暁斗が求めるのは「厳しい争いを勝ち切る力」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AP/AFLO

 5日前に行なわれたノーマルヒル個人戦でも、暁斗は距離で6位スタートながら、積極的なレースをしていた。

「最初はかなり遅いペースで入ったので、『何考えているんだ』と思って。1周目から前を追わないで、ちまちまと銅メダル争いをしていてもしょうがない。そういうのは嫌いだし、僕が観客だったら見たいレースではない。面白くもないだろうし。自重した3位狙いではなく、金や銀を狙うレースをしなければいけないと思ったんです。五輪やW杯でも勝ちにこだわってやっているので、そこは積極的にいかなければいけないと、前に出ました」と振り返る。

 スパート力のある選手も多くいる20人近い大集団のなかで、10位台も頭をよぎったというが、それでも残り1kmを切ってからのビョルン・キルヒアイゼンとファビアン・リースレ(ともにドイツ)の仕掛けには対応した。最後は競り負けて5位となったが、手応えを口にしていた。

「今回はふたりのスパートにうまく反応できたし、最後のストレートまでしっかり後ろにつけていました。その点では、ロングスパート能力もスプリント能力も総合的に上がっているので、最後の勝負どころでもスピードを上げられたのだと思う。順位を上げるという面では、もうちょっとジャンプと走りのレベルを上げて、自分のパフォーマンスを発揮できれば、首位争いもたくさんできるんじゃないかと思う」

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