次こそ大舞台で勝つために。悔しい銅メダルから高梨沙羅が得たもの

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AP/AFLO

 世界ノルディックスキー選手権4日目の、ジャンプノーマルヒル混合団体。1番手の高梨沙羅(クラレ)は、2本とも全選手中で最強レベルといえる、秒速0.91mと0.86mの追い風に当たってしまった。飛距離は90mと89.5mで、ともに第1グループでは2位。これに比べて優勝したドイツの1番手のカリナ・フォクトは、1本目が秒速0.10mで98mを飛び、2本目は0.26mの追い風で95mと運にも恵まれた。

混合団体で銅メダルを獲得し、最高の笑顔を見せた高梨沙羅(右端)混合団体で銅メダルを獲得し、最高の笑顔を見せた高梨沙羅(右端) 結局、日本は3番手の伊藤有希(土屋ホーム)がグループ2位、1位と2本とも結果を残し、前回大会と同じ3位。

 高梨は「みんなの足を引っ張ってしまった」と反省しながらも、ジャンプには手応えを感じたという。2日前に行なわれた個人戦とは違い、悪条件ながらも違和感を感じなかったのだ。さらに、個人戦に続いて2個目の銅メダルを獲得したことも、「形として残ることで見返すことができるし、『次こそは金メダルを目指して頑張ろう』という気持ちにもなれるので、うれしいことだと思います」と前向きに受け止める。

 W杯通算勝利を、男子のグレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)の最多記録に並ぶ53勝にしたばかりで臨んだこの世界選手権。最初の種目だった24日のノーマルヒル個人では、4度目の挑戦にして初の金メダル獲得は確実だろうと期待されていた。

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