全員カーリングで優勝の中部電力。
五輪をかけLS北見と最終バトルへ (2ページ目)
「(ハウス内の)3つのストーンに密集させるように、フリーズ(ぴったりとくっつける)させるアイデアもあるけど、ミスが出た場合には、逆転の2点スティールの可能性がある。それだけは避けるために、まずは最低ひとつ、赤い石を出してしまおう。その場合は、赤い石の内側を狙って、外に追いやるようなショットをしよう」
冒頭の会話を含め、チームで話し合った内容は、要約すると上記のような意味になる。特筆すべきは、これらのセリフはすべて、創部からのメンバーで主将でもある清水絵美(26歳)ではなく、スキップの松村(24歳)でもなく、20歳になったばかりのふたり、セカンドの北澤育恵とリードの石郷岡葉純(いしごうおか・はすみ)によるものだったことだ。
結局、この20歳のふたりの意見が採用され、松村は北澤が立てたブラシに向かってデリケートなタップを決めた。中央から少し離れていた相手の赤い石のみを外側に押しやりつつ、シューター(自ら投げたストーン)も中心近くに残すナイスショットだった。
その直後、LS北見のスキップ・藤澤五月のショットは、手前のガードに当たった。その瞬間、中部電力の優勝が決まった。
3年ぶりに日本選手権を制した中部電力
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