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【月刊・白鵬】横綱も絶賛。
十両で喝采を浴びる小兵力士たち (2ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 春場所(3月場所)、夏場所(5月場所)と連続13勝を挙げた稀勢の里は、まさに綱取りにリーチをかけていて、初優勝を果たせば「即横綱昇進」と言われていました。13日目の日馬富士戦で3敗目を喫したものの、優勝の目は最後の最後まで残されて、誰もがその行方を注目していました。が、惜しくも優勝を逃して、横綱昇進は先送り。本人はもとより、ファンの方たちも相当悔しい思いをしたことでしょう。

 さて、この場所の前半戦で土俵を盛り上げたのは、十両の小兵力士たちでした。先場所、新十両で大活躍した宇良(西8枚目)をはじめ、私と同じ宮城野部屋の石浦(東5枚目)、35歳のベテラン里山関(西4枚目)、十両復帰を果たした琴恵光(東14枚目)といった面々です。

 とりわけ際立っていたのは、低い重心からさまざまな技を駆使して11勝を挙げた宇良です。まさしく"目が離せない"相撲を披露してファンの喝采を浴びる姿は、過去に小兵力士として土俵を沸かせた舞の海関(現・解説者)を彷彿とさせるものがありました。

 舞の海関と言えば、実は以前、私が目標としていた力士でもありました。体がまだ細かった10代の頃、私は舞の海関の取組のビデオを見て、その取り口をずっと研究していたんです。体が大きくなるとともに、私の相撲の取り口は変わっていったのですが、運動神経の塊のような力士だと思って、本当に憧れていました。

 身長173cm、体重127kgの宇良は、その舞の海関よりも多少体格は勝っています。それでも力士の中では小柄なほうで、そのハンデを克服するために、毎日よく考え抜いた相撲を取っています。

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