異次元の強さで飛ぶ髙梨沙羅。平昌五輪の金メダルへ視界良好

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Yuya Nagase/ PHOTO KISHIMOTO

今季4勝目を挙げて、笑顔を見せた髙梨沙羅今季4勝目を挙げて、笑顔を見せた髙梨沙羅 1月16日の女子ジャンプW杯札幌大会初日。スムーズに踏み切るといち早く空中姿勢を固めた髙梨沙羅は、そこからピクリとも動かず空中を滑空した。

「安定した姿勢でアプローチを滑ってくるというのが、今の自分のジャンプでは一番重要な部分だと思うので、滑り始める動作の中でその姿勢にうまく落とし込める確率をいかに上げるかということに取り組んできました。今日のジャンプは2本ともそこがうまくいき、まずまずのジャンプを揃えられたと思う」

 こう話すように髙梨のジャンプは、踏み切りから着地まで一切無駄な動きがない完璧なもの。今シーズンは助走の安定感が昨シーズンより格段に上がっているという手応えを得ていた。弱い向かい風となる運の良さもあったが、2本とも他の選手がスタートした15番ゲートより1m低い13番ゲートからスタート。それでも97mと98mを飛び、ともに2番手に3m差をつける最長不倒距離で圧勝した。

 他の選手よりゲートを下げた理由を、髙梨はこう話す。

「昨日の公式練習でも他の選手より低い12番ゲートからスタートしたんですが(他の選手たちは1本目は16番、2本目は14番を使用)、私は最近のこのジャンプ台の練習で15番ゲートから飛んだことがなかったので、少し恐怖心もあって......。スタートゲートはコーチが決めるのですが、そういう気持ちを察してくれて13番まで下げてくれたのだと思います」

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