【月刊・白鵬】横綱が打ち明けた「あの事件」の真相 (2ページ目)
「子どもが見てもわかる相撲。もう少し緊張感を持ってやってほしい」
「審判批判」ととらえられても仕方のない発言でした。それ以来、報道陣の方々の私に対する接し方が、180度変わってしまいました。
質問される内容は、「審判批判」に関することばかり。私が何か語れば、また物議を醸しそうなピリピリしたムードになっていました。それで私は、私が口を開いたとしても、真意は伝わらないのではないかと思って、あえて口を閉ざすことにしました。
でもそれが、かえって報道陣のみなさんの反感を買ったようでした。私が考えてもいないようなことが世の中に伝えられ、かなりのバッシングを受けました。
そうした状況は、春場所(3月場所)を迎えても続いていました。そのため、私は場所中でも口を閉ざすことにしました。それは、私にとっても、正直つらいことでした。喋らないことで、さらに叩かれましたしね。とにかく私は、厳しい精神状態の中、結果を出すことだけに集中していました。
その間、ファンの方にはご心配をかけ、多くの関係者の方々には嫌な思いをさせてしまったかもしれません。それについては、本当に申し訳なく思っています。
人は、1000回良いことをしても、たった1回の失敗で、状況が一変します。周囲の目や評価が、ガラッと変わってしまいます。
そのことを痛感させられた1年でした。逆に言えば、そうしたことが身にしみてわかったという意味では、私自身の成長につながったと思います。
2 / 5