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2020年、東京駅前で五輪ビーチバレーを開催する可能性 (2ページ目)

  • text by Sportiva

杉山 やはりガッチリしたものを作るほうがお金はかかるわけじゃないですか。

山嵜 そうですね。あとはランニングコストですよね。僕が担当した馬術会場も簡素な作りだからといったって、建設費は安くはないんですよ。だけど終わったら撤去するからランニングコストがかからない。そのほうが環境に優しい、サスティナブルであるとか、言うんですよ。

杉山 日本はまだ土建屋さんの発想から抜けられない?

山嵜 日本では建築は儲けるための手段という発想があるから、ロンドンの話をすると「理想論だよ」という反応は結構あります。その意味では新国立競技場の白紙撤回というのは、日本という土建国家にしてみれば大きなターニングポイントだと思います。しかし、出てきた新しいコンペの要綱はそんなに変わってない。何のための白紙撤回だったのか、という疑問はあります。

杉山 山嵜さんが任せられるとしたらどんな感じのものを考えます? そもそも建築家には「スタジアム作りたいな」という気持ちはあるんですか。

山嵜 建築家としてスポーツの舞台に関われるというのは一つの喜びだと思います。ロンドン大会のように都市を舞台にした五輪を経験した上で、東京五輪の競技場のことを考えるならば、どこの場所に、というのが決まった時点で、都市型五輪の競技場計画はほぼ完成したも同然な気がします。だから上野公園内とか東京駅前と言った瞬間に僕の仕事は終わる。街に競技場をと考えるならば、現実的に考えて仮設になるので、デザインできる余地はそんなにないんです。あとは周囲の街並みを借景として取り込み、会場だけでなくテレビ画面を通していかにして世界中の人々に見せていくか。

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