被災地の「いま」を感じるために。3回目の「ツール・ド・東北」

  • 山口和幸●取材・文・撮影 text & photo by Yamaguchi Kazuyuki

 東日本大震災の復興支援を趣旨としたサイクリングイベント「ツール・ド・東北」が、9月13日に宮城県の石巻市から気仙沼市にいたる三陸海岸沿いで行なわれた。3回目の開催となるが、すでに国内有数の人気自転車イベントとして定着し、狭き門となる出場枠を抽選によりゲットしたサイクリスト3478名が参加した。ツール・ド・東北の魅力とは何なのか、それを探るために現地に足を運んだ。

ツール・ド・東北の広報大使を務めるモデルの道端カレンさんツール・ド・東北の広報大使を務めるモデルの道端カレンさん 同イベントの主催はヤフーと、開催エリアの地方紙である河北新報社だ。ネットメディアの雄と地元に根づいた活字媒体がコラボレーションしている点も注目だが、サイクリングイベントだけにこの世界の実力者がアドバイザーとして加わり、自転車特有のイベント運営にノウハウを提供しているところが参加者に信頼と安心感をもたらしている。この日も五輪代表経験のある元ロード選手・宮澤崇史、元MTB選手・竹谷賢二らが参加者と言葉を交わしながらコースを走っている。

 過去2年の開催と同様に、東日本大震災の震源地に近い石巻市をメイン会場としたが、3回目の開催となる今回はおよそ100キロ北上した宮城県北部の気仙沼市をスタートし、石巻を目指すワンウェイコースも新設された。石巻を発着として気仙沼までを走る往復コースは200キロを超える距離となり、日常的に自転車の練習をしていないとこなせないからだ。今イベントには、大会広報大使を務めるモデルの道端カレンや、アメリカのキャロライン・ケネディ駐日大使も参加した。

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