【レスリング】吉田沙保里「お父さんに金メダルをかけてあげる」

  • 宮崎俊哉●構成 text by Miyazaki Toshiya  根本好伸●撮影 photo by Nemoto Yoshinobu

 今年9月の世界選手権での世界大会16連覇、そしてリオデジャネイロオリンピックでの五輪4連覇を目指す吉田沙保里(レスリング女子53キロ級/ALSOK所属)。32歳となった吉田が思い描く、新しいレスリング像とは――。

リオ五輪に向けて新しい戦術を語る吉田沙保里リオ五輪に向けて新しい戦術を語る吉田沙保里吉田沙保里インタビュー(後編)
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――吉田選手といえば、ノーモーションからの世界最速タックルで相手を抱え上げて豪快にマットに叩きつけ、そのままフォール勝ち......というイメージですが、最近は少し変わってきましたか?

吉田沙保里(以下、吉田) 確かに以前は、正面タックルを決めてフォール勝ちすることにこだわっていた時期もありました。スカッとして気持ちいいですからね。でも、今はロースコアでも、どんなに泥臭い戦いになろうとも、試合が終わったときに自分の手が上がっていればいい。一番大事なことは、表彰台の一番上に立つこと。

――勝負に徹していますね。

吉田 そう割り切れるようになれたのが、ロンドンオリンピックでの成長だと思います。リードしている場面で、むやみやたらとタックルに入らなくなったので、逆に返されて大量失点というリスクがなくなりました。大差でのテクニカルフォールは減りましたけど。

――昨年暮れの全日本選手権では、タックルではなくグラウンド技で決めるシーンも見られました。

吉田 あの決勝戦では、相手がタックルに来たところを抱え込んで体勢を崩し、マットにねじ伏せました。試合後のインタビューでも言いましたが、「がぶり返し」がマイブームなんです。

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