【スキージャンプ】「次は金メダル」。葛西紀明の快挙で団体戦へムードは最高 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi photo by Enomoto Asami/JMPA

「アプローチで試してみたいことがあったから、飛んでおきたいなと思っていたんですが、始まる前から風が微妙だったのですぐ頭を切り換えました。W杯で勝った時も、前日は飛ばないで試合でいきなり飛んで勝っていたから、自信はあった。練習で飛ばなくても自分の調子を維持できることがわかっていたので、余裕を持って過ごせました」

 精神的にも充実していたことが、日本ジャンプの歴史に新しい1ページを加えることができた最大の要因だろう。さらにこの試合では、2位の葛西だけではなく伊東大貴が9位で清水礼留飛が10位、竹内択が13位と、日本は団体戦へ向けて大きな弾みをつけた。

「1本目のジャンプはソチへ来てから一番いいジャンプができました。団体戦は、ノリさん(葛西)が『絶対に金メダルだ』と言っているように、今の調子ならできそうですね。考え過ぎず、自分のできることをやっていけば可能だと思います」と竹内は話す。

 また、膝の痛みがありながらも「最低限のことはできた」という伊東は、「8位入賞はしたかった」と悔しがったが、「団体戦に向けて最高の出来。あとはひとり一人が強い気持ちで戦っていくだけだと思います」と、気持ちを切り換えていた。

 日本チームは、個人戦でつかんだその勢いを団体戦で活かせるか。ベテランの葛西が引っ張り続け、進化させてきた日本ジャンプの真価が問われる試合になりそうだ。

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