【月刊・白鵬】新横綱・日馬富士に刺激され、改めて高まる「優勝」への思い

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

久しぶりに2横綱(左が日馬富士、右が白鵬)がそろい、秋巡業も大いに盛り上がった。久しぶりに2横綱(左が日馬富士、右が白鵬)がそろい、秋巡業も大いに盛り上がった。第20回:ライバル

16場所ぶりに東西の横綱がそろう
九州場所(11月場所)がいよいよ始まる。
充実した秋巡業を終えて、場所目前の
白鵬の気合いも高まるばかり。
新横綱・日馬富士に注目が集まる中、
先輩横綱の意地を見せられるか、注目だ。

 早いもので、今年も残り2カ月。本日11月11日には、一年納めの九州場所(11月場所)が福岡で始まります。

 この九州場所の目玉は、なんと言っても新横綱の日馬富士でしょう。5年半ぶりに誕生した、待望の新横綱。ファンのみなさんはもとより、私自身、日馬富士の横綱昇進を心から喜んでいます。

 1歳年上の彼と知り合ったのは、モンゴルで過ごしていた少年時代にさかのぼります。おそらく年齢は12、13歳くらいのとき。モンゴル相撲の少年大会で会ったのが初めてだったように記憶しています。

 そのときは、五分五分の実力で、特に意識はしていませんでした。でも、それからしばらくして、再び少年相撲大会で顔を合わせた彼のことは強烈な印象として残っています。すごく強くて、私には到底、歯が立たない相手になっていました。

 急激に強くなったのは、柔道道場に入って体を鍛えていたからだったそうです。当時から彼は、本当に努力家でしたね。

 その後、彼は日本からやってきた安治川親方(現・伊勢ヶ濱親方)にスカウトされて、安治川部屋に入門。そして私も、彼から一場所遅れて日本の相撲界に入りました。

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