【月刊・白鵬】話題の「大物新人」が宮城野部屋にやって来た!
宿舎近くの料理屋でスッポン鍋を食し、春場所に向けて精気がみなぎっている横綱。第12回:「大阪場所」
東日本大震災からちょうど1年が経つ
3月11日に初日を迎える春場所。
その日、27回目の誕生日を迎える
横綱が、改めて強い決意を語る――。
2年ぶりの春場所(3月場所)が、まもなく始まります。
初日の3月11日は、奇しくも昨年東日本大震災が起こった日。私の27回目の誕生日でもあり、忘れることのできない日になりました。
この一年という時間を、被災者の方々がどのような思いで過ごされてきたのかを考えると、胸が痛みます。被災地を訪れる度に、復興にはまだまだ時間がかかることを思い知らされることも多く、私たち力士も引き続き復興のお手伝いをしていかなければいけないと、身をひき締めています。
さて、昨年は八百長問題などの不祥事によって開催を中止した春場所。大阪で行なわれる1年に1度の本場所ということもあって、毎年多くのファンが楽しみにしていると聞いています。その場所を実現できなかったことは、本当に残念でなりませんでした。それだけに、今年は無事に開催できることを、私自身、心からうれしく思っています。
ただ当初は、私どもの事情で場所を取り止めたため、大阪のファンの方たちが、今一度相撲を受け入れてくれるのかどうか、不安でした。大阪のファンは目が肥えているというか、不甲斐ない相撲を取った者には、容赦なくヤジが飛んできます。力士にとっては、他の場所では味わえない緊張感があるのですが、それほど熱心なファンが多いだけになおさらでした。
でも、そんな心配を大阪の方々が取り除いてくれました。2月の下旬に大阪入りし、復興支援の募金活動や、さまざまなイベントに出席させていただいたのですが、みなさんが温かく迎え入れてくれたのです。大勢の方から「がんばってや」「待ってたでぇ」と声をかけていただき、相撲を楽しみにして下さっていることを身に沁みて感じました。そうしたファンの方々に喜んでいただけるよう、全力を尽くしてがんばりたいと思います。
1 / 2