【月刊・白鵬】巨人のキャンプに参加してチャレンジしたいこと

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

第11回:私と野球

相撲だけでなく、スポーツ全般に関心を持つ横綱。
バスケットボールやゴルフ好きで知られているが、
野球に対しても強い思い入れがあるという。
今回は、その魅力について語る――。

稽古を終えて、何百枚もの色紙に手形を押す白鵬。場所のない2月には、プロ野球のキャンプに参加する予定だという。稽古を終えて、何百枚もの色紙に手形を押す白鵬。場所のない2月には、プロ野球のキャンプに参加する予定だという。 大相撲初場所(1月場所)は、大関・把瑠都の初優勝で幕を閉じました。私も、貴乃花関(現貴乃花親方)の持つ通算22回の優勝記録に並ぶことを目標に全力を尽くしましたが、想像を超えていた把瑠都の勢いには敵いませんでした。

 199cm、188kgという恵まれた体格の把瑠都。数年前までは、やや腰高で大ざっぱな相撲を取っていたために負傷が絶えませんでしたが、昨年の後半くらいから相撲が変わってきました。持ち前の体を最大限に生かすことを考えて相撲が取れるようになったのです。ゆえに私は、5大関の中で「一番、横綱に近い存在」と、事あるごとに彼の名前を挙げてきました。そして、相撲内容がよくなるに連れて自然と白星も積み重なり、初場所の結果につながったのでしょう。

 9日目までは、私も全勝で把瑠都と併走していました。ところが10日目、関脇・鶴竜に敗れると、どういうわけか相撲のリズムが狂ってしまったのです。これまで鶴竜とは、20回の対戦で一度も負けたことがなかったのですが、立ち合いからしっくりきませんでした。もしかして、負けるときというのは、そういうものなのかもしれません。

 そして、波に乗れないまま、12日目、13日目と連敗。早々に、把瑠都の優勝を決定づけてしまいました。これほど星を離されてしまうと、悔しいどころの話ではないですね。横綱として、大いに反省しなければいけない場所となりました。

 それでも、把瑠都には初場所の調子をキープして、綱獲りに挑戦してほしいと思っています。ビッグチャンスは、そう何度も訪れるものではないだけに、「なりふり構わず」という姿勢で奮闘してもらいたい。ただ、把瑠都は温厚な性格で、いわゆる「いいヤツ」。そういう人柄の良さがネックにならなければいいのですが......。

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