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日本女子最多3回目の五輪へ 坂本花織が「強い自分でいられる」理由を明かす「基本、自分に甘いので......」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【個人・団体ともに銀メダル以上を狙う】

 3大会連続五輪出場を決められた要因について、坂本はこう話した。

「基本、自分に甘いので、なかなか自分だけではここまで来られなかった。やっぱり先生の力とかトレーナーさんのアドバイスなど、いろいろな人の支えがあったからこそここまで来られたと思います。自分ひとりだったらどんな成績であれ、『こんなもんか』と思ってしまうけど、携わってくれている人がたくさんいるから、『ここ一番は決めておかないと』という気持ちになれる。そのおかげで強い自分でいられたのかなと思います」

 優勝決定の瞬間の気持ちはこうも話す。

「初めてだった平昌五輪の時は、本当に選ばれるかわからない状態だったし、選ばれたら奇跡だなと思っていた全日本だったので、選ばれた時点で達成感がすごくありました。2回目の北京五輪は『一発内定を決める』と挑んだ全日本で、『よっしゃ、決まった』という達成感がすごくありました。でも、今回は全日本をやりきったという気持ちのほうが大きすぎて、一瞬、五輪シーズンだったことを忘れてしまうような。五輪が決まったというより、『これが最後なんだ』という気持ちが強すぎて、ちょっと寂しさが出てきてしまいました」

 現役最後のシーズン。「一つひとつの大会で悔いを残さないようにしたい」と話していた彼女だが、やはり全日本はそのなかでも特別であり、集中して臨んだ大会だったということだ。

 昨季世界選手権優勝を果たしたアリサ・リュウ(アメリカ)だけではなく、ロシア選手権3連覇のアデリア・ペトロシアンも中立国枠で出場してくるミラノ・コルティナ五輪。五輪に向けてはこう語った。

「私の戦い方が、今できる要素のクオリティを上げるところなので、そこをもっともっと。本当にクリーンな演技でGOEがたくさんもらえる演技ができるように、自分で自分に喝を入れて、先生からも喝を入れてもらって、『これで悔いはない』と思うくらいの練習を積めたらなと思っています。

 シーズン前から目標にしていた個人と団体で銀メダル以上というのは変わりません。個人は(北京五輪で)銅だったので銀以上がほしい。団体も最初3位だったのが繰り上がりで2位になったので、今回は正真正銘の銀以上がほしいです」

 坂本は、全日本選手権優勝でGPファイナル3位の悔しさも吹き飛ばし、スッキリとした気持ちで五輪へ向かえることだろう。

著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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