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紀平梨花のアイスダンサーとしての伸びしろは? コーチのケイトリン・ホワイエクが新カップル2組の可能性を語る (2ページ目)

  • 山本夢子●取材・文 text by Yamamoto Yumeko
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【シングル経験の強みをどう発展させられるか】

ーー紀平選手が西山選手に与える影響もあると思いますか?

 もちろんです。間違いなく。リカについて最初に気づいたのは、非常に強い意志を持っていること。そして本当に努力家だということです。スケートへの取り組み方が本当にすばらしいんです。動画を見たり、研究したり、つねに学ぼうとしています。多くのアスリートもそうかもしれませんが、彼女がアイスダンスを学ぶことに非常に熱心であることは明らかです。

 そして彼女の大きな強みのひとつは、シングルのバックグラウンドがあるからこそジャンプと軽やかな滑りがあります。アイスダンサーは氷に深く踏み込み、膝を深く曲げて安定させることを学ぶので、すべてのアイスダンサーが彼女のような軽やかな滑りができるわけではありません。リカの軽やかな滑りがアイスダンサーとしてどう発展していくのか、本当に興味深いと思います。

ーー練習拠点であるカナダ・モントリオールでの彼らの様子はいかがですか?

 すばらしいですよ。4人全員がモントリオールでしっかりサポートされていることを感じ、モントリオールがもうひとつのホームだと思ってもらえたらうれしいですね。やはり日本とは言葉も違いますし、育ってきた場所とは大きく違う環境ですから。

 シンゴは英語が流暢で、アツとチサト、リカは勉強中ですが、母国語ではないので理解するには快適な言語ではないかもしれません。ですから私たちはデモンストレーションを通じてパートナーシップを実演したり、たくさんの感情や表現を用いた指導をして、できる限りコミュニケーションを取るように最善を尽くしています。これも彼らがホームにいるような感覚を持ってもらいたいからです。

 でも、彼らのエネルギーは本当にすばらしいです。つねに学びたいという意欲があり、いつも前向きで努力家な姿勢でリンクに来ます。コーチの立場からすれば、生徒にこれ以上を求めることはできません。だからこそ彼らが今後どう成長していくのか、本当に楽しみなんです。

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