【フィギュア】国別対抗戦は友好的で和やかな大会 「楽しんで滑る」選手たちの表情は団体戦ならでは (2ページ目)
【会場を埋めた観客も"演出家"】
「(疲れが)足に来ていると感じたのですが、滑っていて"楽しさ"を感じました」
フリーの演技後、千葉百音はそう言って「楽しさ」を体に刻んでいた。
「完璧とはほど遠かったですが、いい表情で滑れたと思います。これから(五輪シーズンで)緊張することもあると思うんですが、この気持ちを忘れません。楽しむ、までできなくても本番に臨む時、感謝を忘れないように」
連日、会場を埋めた観客はフィギュアスケートの奥深さを楽しんでいたし、彼ら自身が"演出家"でもあった。手拍子だけでなく、見守る熱気も、すべてがフィギュアスケートをかたちづくっていた。
そして、村元哉中、高橋大輔の"かなだい"や、三浦璃来、木原龍一の"りくりゅう"の活躍で、カップル競技の人気が向上し、国別対抗戦の盛り上がりが増したことは大きな変化だ。
アイスダンス世界王者であるマディソン・チョック、エヴァン・ベイツ組は、会場のファンを魅了した。ミスがないというレベルではない。一つひとつのエレメンツを完璧に滑りながら、それが途切れなかった。だから無駄がないのに、ふわりとした余韻が残り、エレガントなプログラムを演出した。点数がかかった競技だが、彼らはその枠から脱しているように映った。
2 / 3