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【フィギュア四大陸・女子】千葉百音が大失速で日本勢は18年ぶりにメダルなし 優勝は急成長中の韓国の新星 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【直前の体調不良で大失速の6位】

 しかし、アクシデントが千葉を襲った。23日のフリー当日は体調を崩してしまい、朝の公式練習には出ず、体調管理を優先した。

 そしてフリー本番。千葉は丁寧に滑り出すと、柔らかなスケーティングから入った3回転フリップ+3回転トーループは、フリップでエッジ不明瞭の判定があったものの堅実に決めた。だが、そのあとの2回転サルコウはq判定で転倒。ダブルアクセルは前につんのめるような着氷となって勢いに乗りきれない。

 それでもフライングチェンジフットコンビネーションスピンはレベル4とし、後半に入ると、3回転ルッツからの2本のコンビネーションジャンプをしっかり決める粘りの滑り。しかし最後の3回転フリップは回転不足になって転倒し、すぐには演技に戻れなかった。そして終盤のステップシークエンスと2本のスピンを終えると、両ひざを着いて苦しそうな表情を見せる。

 フリーの結果は今季ワーストの123.88点で、合計得点は195.08点の6位という結果に終わった。千葉のフリーでの大失速は、今大会最大の想定外だった。

 ロシア勢がいない現在の女子は、大技を強力な武器とする選手がおらず、技術レベル的には横並びの状態だ。千葉も安定感を強みにしているとはいえ、体調が崩れればここまで落ちてしまうことを実感しただろう。試合に臨む体調、さらに試合が終わるまでの体調維持の重要さを経験したことが、この大会の彼女の収穫になる。

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