浅田真央「つらいことがあっても負けずに輝くんだ!」『フレンズオンアイス』で表現した人生 (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【荒川静香と意気投合】

 もっとも、浅田自身は偏って神格化されない。今も、「真央ちゃん」と呼んでしまいそうな、親しみやすさがある。近づきがたくはない、善良さ、明るさが魅力だ。

「真央ちゃんがこんなに楽しい人って思わなかった!」。公開リハーサル後の囲み会見、トリノ五輪金メダリストの荒川静香が言えば、「静香さんが、こんなにしゃべる方だとは思いませんでした!」と即興で、浅田は返していた。

 ふたりは舞台裏で親密さを増し、しゃべり続けているという。現役当時は、年齢が離れていたし、それぞれ若く、話す機会がなかった。しかし、いまや表現者として相通ずるものも多いのだろう。

「(オープニングで高橋大輔、荒川静香と)3人で並ぶのは緊張します。絶対、失敗できないです!」

 浅田はにこやかに言う。その責任感で、彼女はリンクに立っている。そして、彼女が見せるのは希望だ。

 ショーは8月30日から9月1日まで3日間、全6公演が行なわれる。

「フレンズオンアイス2024」高橋大輔 編を読む>>

「フレンズオンアイス2024」宇野昌磨 編を読む>>

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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