羽生結弦、苦難は「貴重な経験」と語る強さ。「こういう性格だからこそ、アクシデントからはい上がって来られた」 (4ページ目)
国別対抗戦エキシビションで見事な滑りを見せた羽生この記事に関連する写真を見る 14−15シーズンの数々の経験を、「振り返ってみれば貴重なもの」と考え、苦難をくぐりぬけて、さまざまなことをプラスにとらえる強さを持っていた。
「こういう(ポジティブな)性格だからこそ、あのようなアクシデントからはい上がって来られて、常に勝利を勝ち取るんだという強い気持ちを持っていられたのだと思います」
予想もしないアクシデントで目標が達成できないこともある。その悔しさを糧に新たな戦いに踏み出したのだ。
「練習方法など綿密に計画を立てて、何が必要で、何をすべきなのか一つひとつ考えるきっかけになりました。ケガをしてからどう調子を上げていくのか、どう身体を整えていくのか、ということも含めて、貴重な経験をさせていただいたなと思っています」
力強く語った羽生は、世界国別対抗戦のエキシビションで前シーズンのSP『パリの散歩道』をノーミスで演じきり、フィナーレでも見事なジャンプを決めてみせた。
(つづく)
【profile】
羽生結弦 はにゅう・ゆづる
1994年12月7日、宮城県仙台市生まれ。全日本空輸(ANA)所属。幼少期よりスケートを始める。2010年世界ジュニア選手権男子シングルで優勝。13〜16年のGPファイナルで4連覇。14年ソチ五輪、18年平昌五輪で、連続金メダル獲得の偉業を達成。2020年には四大陸選手権で優勝し、ジュニアとシニアの主要国際大会を完全制覇する「スーパースラム」を男子で初めて達成した。
折山淑美 おりやま・としみ
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。92年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、これまでに夏季・冬季合わせて14回の大会をリポートした。フィギュアスケート取材は94年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追っている。
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【写真】羽生結弦『ドリーム・オン・アイス2021』フォトギャラリー(8枚)
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