宮原知子、世界選手権SPは悔しい16位。巻き返して全日本の再現を狙う
世界選手権SPはミスが響いて16位となった宮原知子ーー緊張しましたか?
演技を終えた宮原知子は、その質問に真摯な姿勢で答えようとした。
「そうですね......。簡単に言えば、全体として"緊張してしまった"ということになるんですけど、自分でもまだ、あの......。もうちょっと見つめ直して考えたいと思います」
思いどおりにいかなかった演技直後で感情が錯綜し、考えが整理できなかったのだろう。誠実な人柄だけに、できる限り丁寧に伝えようとしたが、うまく言葉にならなかった。無理もない。不用意な言葉を吐けば、自責の念に駆られ、たちまち負の感情に覆い尽くされる。競技者とは、そういう生き物だ。
「自分の滑りができるように」
宮原は、次に立つべき舞台へ視線を向けていたーー。
3月24日、スウェーデン・ストックホルム。世界フィギュアスケート選手権2020の女子ショートプログラム(SP)、宮原は最終グループで滑っている。
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