コロナ禍のフィギュアスケート中継。現場ディレクターの創意工夫と奮闘 (3ページ目)

  • 山本夢子●取材・文 text by Yamaoto Yumeko
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 そしてやはり最も気を使ったのは、コロナ対策だったという。

「コロナ対策に関しては、しっかり対応することができました。下見から念入りに準備を重ね、とにかく選手ファーストを心がけ、選手には絶対に迷惑をかけないようにと打ち合わせをしてから会場に入りました。我々スタッフは全員PCR検査を受け、会場入りしてからも検温を徹底しました。

 控室も細かく分け、席ごとにアクリル板を設置してこまめに消毒。食事をする部屋は作業をする控室とは別に設け、「黙食」を徹底するなどさまざまな感染対策を行いました。コロナ禍での中継は私たちも初めてのことが多かったので、何事もなく大会が終わった時はホッとしました」

 そして、今シーズンを締めくくる世界フィギュアスケート選手権(スウェーデン・ストックホルム)の幕が3月24日に上がる。

「このような状況なので、現地へ派遣するスタッフは放送に必要な最小限の人数に絞っています。今までの世界選手権では考えられないくらいの少人数になる予定です。厳しい感染対策をとって細心の注意を払い現地入りします。

 今までのように、演技後のミックスゾーン(囲み取材)もありませんし、私たちは客席の3階か4階にあたりまでしか入れないようです。(演技後のフジテレビ独自の)フラッシュインタビューはリモートになります。日本から質問を送り、その回答がお台場に届く形です。その映像などはスウェーデンのテレビ局が手配をしてくれる予定になっています」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る