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羽生結弦の王者としての覚悟。「新しい扉を開ける存在になりたい」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

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GPファイナルで優勝し、笑顔を見せた羽生GPファイナルで優勝し、笑顔を見せた羽生『SEIMEI』を演技するにあたって(狂言師の)野村萬斎さんと話をさせていただく機会がありましたが、フィギュアスケートの芸術という面においてはジャンプが決まってこそだと思います。ジャンプがやっとプログラムの中で決まるようになってきて、芸術性というものに関しても、自分が自分らしく表現できるようになってきたかなと思います。まだまだ先はありますけど......」

 NHK杯が終わり、次のGPファイナルの開催地バルセロナへ向けて出発するまでわずか8日間だった。その間、羽生は「調整をしっかりしなければ」との意識に集中していて、NHK杯の結果を自分の中で消化できるほどの時間はなかった。

 GPファイナル開幕前日の公式練習後に羽生は「高揚感のようなものはもう関係ないですね。短い期間だったからなのか、NHK杯直後には『これからあの得点を意識するだろう』とは思っていましたけど、今は特に最高点も意識していないし、演技に対する期待感もあまり感じてないです。どこか吹っ切れているような気がします」と話していた。

 しかし、動きは見るからにこれまでのGPシリーズの2戦とは異なり、絶好調とは言えないコンディションだった。さらに、この大会ではSP翌日ではなく、中1日置いてフリーという日程。SPは110.95点と再び歴代世界最高を更新したが、NHK杯のように、その勢いでフリーを乗り切れる状態ではなかった。

 中日の公式練習は疲労が一気に噴き出してきたのか、必死に体に刺激を入れるような様子も見えた。さらにフリー当日の朝は、のちに本人が「連戦の疲労がピークに達していた」と吐露したほど。さらに直前の6分間練習も、ジャンプに出た不安要素を修正できないまま終わってしまった。

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