日本女子フィギュアの「伏兵」3人。五輪出場への狭き門に挑む (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 坂本 清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 そこで地力の強さを見せたのは、2位に入った川畑和愛(19歳)だ。

 2019ー20シーズン、川畑はジュニアながら全日本で3位に入っている。長身の体躯(たいく)から手足をのびやかに動かし、雄大なスケーティングでイタリアのカロリーナ・コストナーを思わせる。ただ、2020ー21シーズンの全日本は11位と低迷。コロナ禍でのシニア転向、大学進学、そして"全日本表彰台の称号"などが足かせとなったか。

「今シーズンは思うように滑れなくて、全日本3位という結果はもう過去のことっていうか。あんまり考えないようにしています。しっかり滑らないと、というプレッシャーになってしまって」

 川畑はそう言って、自己分析をした。国体では自然体で、総合202.36点を叩き出している。

「点数は190点台もあまり出せていないので、200点台はうれしかったですね。今シーズンは最初に長く滑れない時間があって、なかなか満足できる演技はできませんでしたが。(シーズン)最後に、練習してきたプログラムをノーミスでできたので、その調子をキープしつつ、さらに頑張りたいと思っています」

 シニア2年目、五輪イヤーで本領発揮となるか。練習では、すでにトリプルアクセルにも取り組んでいるという。来シーズンは、ふたつとも新しいプログラムで挑むことになりそうだ。

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