本田真凜、アイスショーではつらつと演技。自覚している課題の克服へ (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA/Enomoto Asami

アイスショーで他の出演者と一緒にパフォーマンスする本田アイスショーで他の出演者と一緒にパフォーマンスする本田 本田の2020年は、控えめに言って「苦闘」だった。

 シーズン初戦に予定していた10月のジャパン・オープン開幕直前、ジャンプの転倒で右肩を脱臼した。一度は自分で肩を入れたものの、翌日に滑った時に再び肩が外れてしまい、棄権せざるを得なかった。本来はしばらく安静が必要だったにもかかわらず、東京選手権出場を強行し、東日本選手権に進出。練習はままならず、痛みが残る体で、目標にしていた年末の全日本選手権までどうにか勝ち進んだ。

「スケートをしてきて、一番不安で」

 本田はそうもらしていたが、苦難を乗り越えたはずだった。

 ところが全日本の前日、本田はめまいを感じ、体調不良を訴える。当日の公式練習は不参加。症状が回復しなかったことで、欠場を余儀なくされることになった。

 結局、今シーズンは一度も万全な状態では滑ることができていない。不運とも言えるが、結果は過酷だった。12月に出場したNHK杯でも、7本中6本のジャンプが回転不足などと判定された。

「ケガ明けから、ジャンプは回転不足になってしまうことが多くなって。回転不足になると、せっかくジャンプを跳んでもマイナスがついて、失敗したのと同じようになってしまう。次に向けての課題ですね」

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