2020.06.15

本田武史が衝撃を受けたプログラム。
「競技なのにショーみたい」

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • photo by AFLO

 フィギュアスケートファンなら誰もがあるお気に入りのプログラム。ときにはそれが人生を変えることも――そんな素敵なプログラムを、「この人」が教えてくれた。

リレハンメル五輪で『カサブランカ』を演技したカート・ブラウニング私が愛したプログラム(2)
本田武史(コーチ、解説者)
『カサブランカ』カート・ブラウニング

 僕が一番好きなプログラムは、カート・ブラウニングが1994年リレハンメル五輪で演技したフリー『カサブランカ』(振付/サンドラ・ベジック)です。もともと彼のことが大好きで、プログラムは何回も見ていたのですが、やはりこの年は衝撃的でした。ちょうどプロがオリンピックに1回だけ復帰ができるというシーズンで、アマチュアとプロが一緒に競技会に出た大会だったということもあると思います。

 エンターテインメントの要素があったこのプログラムで僕が気に入ったのは、途中、踵(かかと)でステップを踏むところ。彼のプログラムは、ちょっと試合っぽくないところがあり、すごく魅せる演技で、音の取り方と体の使い方が好きでした。ステップもいいですけど、ジャンプで、イーグルからトリプルサルコウ+トリプルループのコンビネーションが衝撃的でした。「ここから行くの?」という驚きがありました。