髙橋大輔の革命的プログラム。中野友加里は「鳥肌が立ちました」 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 曲を聞いたときは驚きました。こんな編曲があるんだ、と。その前に荒川静香さんのポップスバージョンの『白鳥の湖』(2002-2003から2シーズンのSP)を見たときも驚きましたが、それ以上に衝撃を受けたのが『ヒップホップバージョン』でした。

『白鳥の湖』は古典バレエの音楽ですから、ヒップホップにアレンジすることがすごいことでしたし、さらにスケーターのプログラムの選曲として勝ちに行くという挑戦が、やっぱりニコライ(・モロゾフ)さんならでは、なのかなと思いました。

 ヒップホップを氷上で表現するのはすごく難しいと思うんです。けれども、アレンジされた『白鳥の湖』をヒップホップ調に振付して髙橋大輔という担い手が踊りこなし、みんなに印象に残す。ちゃんとヒップホップというつなぎを見せてくれることがすばらしいですし、才能だと思います。

 このプログラムで一番目を引いたのは、終盤のステップです。私もそれを見た後、ビデオを見返したりして何度か真似をしようとしたんですけれども、あれは髙橋大輔にしか踊れない、踊りこなせない。そして髙橋大輔だからこそ格好いいプログラムなんだなと、あらためて認識しました(笑)。

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