2020.03.18

宇野昌磨は楽しみながら強くなる。
ランビエルが語った復活の真実

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

Never give up! 
日本フィギュアスケート2019-2020総集編(4)

 カナダのモントリオールで開催予定だった世界フィギュアスケート選手権が、新型コロナウイルスの影響で中止になり、2019-2020シーズンが終了。今季も氷上で熱戦を繰り広げた日本人スケーターたちの活躍を振り返る。

 今シーズン、コーチ不在でスタートした宇野昌磨。結果も内容も悪く、非常に苦しみながらも、最後は復活。スケートを楽しむ境地を得た。その心の変化をつづる。

今シーズンは全日本選手権で4連覇を達成した宇野昌磨 2019年12月の全日本選手権で、宇野昌磨(22歳)は4連覇を飾っている。2019-20シーズン、コーチ不在による不調が伝えられていたが、全日本に臨む宇野の表情は晴れやかだった。そして喜びに満ちた様子のまま、ショートプログラム(SP)で2位につけ、フリーでは1位と、鮮やかな逆転優勝を勝ち取ったのだ。

「(復活に)秘訣は一切ありませんよ」

 ステファン・ランビエルコーチは、静かだが明瞭な口調で言った。ランビエルは全日本開催時点で宇野の正式なコーチではなく、臨時だったが、2カ月足らずで復調に導いていた。

「(宇野)昌磨は、(全日本のSP、フリー)2つのプログラムを楽しんで演じていました。ジャンプだけでなく、ほかの技術点の部分などすべてそうで。アグレッシブな姿勢で滑ってくれたことを、コーチとしてうれしく思います。彼はスケートを楽しめる。厳しい練習の中でも、楽しさを感じられるのです」