五輪を目指す髙橋大輔。アイスダンスで感じた「今までにないもの」 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 髙橋は「プリンスアイスワールド2020」で、村元の演技の最後にも登場している。村元の手をとって、体を引き寄せ、見つめ合って終わる。それはアイスダンスに向けた序章だろう。

「たいへんななかでもやっていくという経験を、シングルの最後ですることができてよかったと思っています。アイスダンスでも、きっとたいへんなことは多くあるはずで、自分は初心者。世界を目指しながら、下から這い上がっていくことになると思うので」

 昨年末の全日本選手権でシングルスケーターとして引退した髙橋は、その心境を話していた。その後は、アイスダンサーとしての日々を生きている。2月からはアメリカを拠点に活動予定。コーチの指導を受け、本格的なトレーニングに入る。靴もダンス用を履くことになるだろう。

「大きな目標がないと、自分は頑張れない」

 カップル結成を発表した時、髙橋はそう語っていた。

「みんなに、よりダンスに注目してもらえるように。オリンピックを目指していきたい。できるだけ長く、自分はスケートで表現したいですね。『氷艶』のような舞台も経験して、スケートの可能性はまだまだあると感じたので」

 髙橋は、アイスダンサーとしても世界を狙う。純粋な野心がなければ、彼は動かない。2022年北京五輪出場が、目に見える目標だ。

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