2020.01.19

本田真凜はアイスショーで自分を磨く。「粘り強く、頑張っていきたい」

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

4月からは大学進学予定の本田真凜(写真は昨年の全日本選手権) 1月18日、広島ではアイスショー「プリンスアイスワールド2020」が開催されていた。薄暗いリンクに、桃色のライトが仄かに灯る。新しいエキシビションプログラムの「I’m an Albatraoz」が、重低音のビートを震わせた。

 本田真凜(18歳)が、曲に合わせて滑らかに体を揺らす。ふたつに結んだツインテールが、大きく跳ねる。黒いタイツにゴールドの柄があしらわれた衣装は、ネコ科の動物のように見えて、手の指には爪に見える細工がしてあった。

 本田は気力が充実しているのか。スピンを綺麗に決め、ジャンプも無難にこなした。氷の上に立った時の表情は、愛らしさに妖しさも混じって、魅惑的な雰囲気を伝える。視線を流すだけで、そこには見えない線が引かれる。曲の最後、セリフに合わせて髪の端を持ち上げ、いたずらっぽく微笑んだ。

 彼女は、会場の喝采を浴びた。理屈ではないのだろう。その演技は、舞台を華やがせる。

 本田はいかにして、スケートの楽しさを取り戻したのか。

 2019年12月の全日本選手権、本田はショートプログラムで6位になり、フリーの最終グループに入った。その表情に、不安や暗さは消えていた。

「今日は楽しくて、お客さん一人ひとりの顔が見えるほどでした!」

 6位で終わったあと、本田は踊り出しそうな笑顔で言っていた。