紀平梨花、4回転に挑むか「迷っています」。SP2位の演技に手応え

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

NHK杯ショートプラグラムで2位発進となった紀平梨花NHK杯ショートプラグラムで2位発進となった紀平梨花 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終第6戦NHK杯、女子ショートプログラム(SP)。昨季のGPファイナル女王の紀平梨花は、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させたが、3本目の3回転ループの着氷がやや乱れて出来ばえ点(GOE)で0.21点のマイナスとなり、合計79.89点と、80点の大台には乗らなかった。

 紀平にとってNHK杯は、昨年シニアデビューして初出場優勝を華々しく飾った記憶に残る大会。ここで2連覇して2年連続GPファイナル進出も果たしたいところだ。だが、SPでは今季シニアデビューしたロシアの"超新星"アリョーナ・コストルナヤの後塵を拝して首位と5.15点差の2位発進となった。

 試合後、紀平は自らの演技をこう振り返った。

「すべてのジャンプを着氷させることができて、高得点も出せてフリーにつながるいい演技だったんじゃないかなと思います。3回転ループは少し悔しいミスだったと思ったので、フリーにつながるいい演技はできたんですけど、修正しないといけないところでもあるので、明日は3回転ループやトリプルアクセルを含めたすべてのジャンプを確認して自信を持った練習ができたらいいなと思っています」

 得点源のトリプルアクセルは、会心の出来と言えるほど鮮やかに決めて、GOE加点で2.29点が出たほど。紀平自身も武器の出来ばえには満足だった。

「今日のトリプルアクセルはここ(札幌)での練習の中でもいいアクセルだったと感じていて、しっかり加点につながっていたのは、高さと幅が普段のトリプルアクセルよりもしっかり跳べるようになってきたなと感じているので、明日(のフリー)もSPのようなアクセルを跳びたいと思っています」

 今大会では、SP、フリーともに、これまでお披露目していない新調のコスチュームを着用している。SP『ブレックファースト・イン・バグダット』で着用した赤と黒のコスチュームはゴージャス感満載で背中に十字架のようなデザインをほどこした仕上がりになっていた。

 演技前に、ルール改正後に紀平自身が持っていたSP世界最高得点の83.97点を塗り替える85.04点の高得点を叩き出したコストルナヤの得点を見たという紀平は、少し動揺したようだが、しっかりと自分の演技に集中したところはさすがだった。

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