羽生、宇野に迫る成長に期待。日本男子フィギュア若手3人の意気込み (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 そうした姿勢の保持がメリハリの利いた滑りにつながっている友野の新プログラムは、SPはフィリップ・ミルズ氏の振り付けの『ザ・ハーデスト・ボタン・トゥ・ボタン』だ。

「これまで興味を持っていたコンテンポラリーで、しっかり音楽を解釈しなければいけないのですが、振り付けをしてもらいながら、フリーレッグの使い方やバレエの所作なども教えてもらいました」と、手ごたえを感じている。

 また、フリーはミーシャ・ジー振り付けの『ムーランルージュ』で、「今シーズン目標にしているのは、力強い演技をすること。それをすごく後押ししてくれる曲になっています」と、自らに対する期待も高くなっている。

 山本草太は、SPの曲かけで、大きさがあって丁寧なスケーティングのステップが印象的で、最初に4回転サルコウを入れて4回転トーループを連続ジャンプにする意欲的な構成に挑んでいた。

「昨季最終戦のチャレンジカップで4回転トーループを跳んだあと、今季は4回転サルコウもショートとフリーの両方に入れる予定なので、それに取り組んでいます。今のところ、トーループのほうが練習でも確率はいいですね。チャレンジカップでは最初のジャンプで1本だけだったので集中できましたが、フリーでは2本入れるのでミスが出てしまいます。トーループに関しては曲の中で入れられる確率もだいぶあがってきましたが、サルコウも含めて全部の4回転を決められるように練習中です」

 新プログラムは自分で選んだ曲で、SPは『エデンの東』、フリーは『イン・ジス・シャツ』。振り付けは、ともにパスカーレ・カメレンゴだ。

「ショートは壮大な曲で、自分でもそういうスケートをしたいと思っています。フリーはしっかり演技をすれば大人っぽいプログラムになると思いますが、曲調が単調なので、滑りも単調になってしまいます。いい曲だと思って選んで実際にやってみて、周囲からは『ケガの間に良くなってきたスケーティングを生かせる』というアドバイスももらえているので、そういうところを見せて単調にならないようにしたいと思います」

 新シーズンを前に「昨季は日本選手権がとても悪かったので、今年は表彰台に上がって世界選手権に行きたい」と、目標を掲げている山本。ケガをしていた時に進化したスケーティングも武器にして、上位を目指す意欲も十分だ。

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