羽生、宇野に迫る成長に期待。日本男子フィギュア若手3人の意気込み (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 また、昨季のジュニアグランプリ(GP)ファイナルで3位になった島田は、全日本選手権でもSPで3位発進となり、可能性の高さを見せた。だが、最終戦の世界ジュニアは9位と、悔しい結果でシーズンを終えた。オフの間は氷上で曲かけを通すことを意識したという島田は、トレーナーにスイスまで来てもらって、ウエイトやインターバルなどのハードなトレーニングにも取り組んだ。その成果で、体重も2kgほど増えた。

「ジャンプを跳ぶ時は少し重い感じもするけど、持久力はかなり向上したと思う」と言うように、SPの曲かけでも終盤のステップシークエンスにはスピードがあり、迫力を感じさせた。

「今はトリプルアクセルがかなり安定してきて、プログラムにも2本入れる予定です。4回転トーループと4回転サルコウはまだ調子が悪くてなかなか決まらないのですが、これからはその安定を目指していかなければいけないと思います」と話す島田だが、7月には4回転ルッツも1回だけクリーンに降りている。

「もちろん将来的には(4回転ルッツも)プログラムに入れたいし、そのための練習なのですが、最初はお楽しみ程度でやってみたら、逆にそれが良かったようです。楽しみながらやることで、気持ちも高まります」と言う。もちろんそれは、4回転トーループや4回転サルコウの確率アップにもつながる。この日の練習でも、最後には何回も4回転ルッツに挑戦していた。 

 新プログラムは、フリーは指導を受けるステファン・ランビエル振り付けの『アーティスト』で、SPの『ステイ』はフィギュアスケートの振付師ではなく、ランビエルと交流のあるカナダのダンサーに振り付けを依頼した。新境地を切り開く取り組みにも挑戦して、新たなジャンプにも取り組む島田が、表現者ステファン・ランビエルの指導でどこまで才能を開花させるのか。今季は、そこにも期待をしたい。

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