紀平梨花は自分に合格点。正念場の来季は4回転ジャンプ習得も目指す (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 まずは及第点の結果を残せたが、坂本は「もっとやれた」と言いながら、これからの抱負をこう語った。

「今年の目標の全試合表彰台が、2試合連続でダメだったので、ここからは新しいシーズンに向けて、気持ちも体もしっかり一から作って頑張っていきたいと思います」

 エキシビションが行なわれた24日、今大会を振り返る取材に応じた坂本は、来季に向けて、大技トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を「習得しなければならない」と決意を語った。

「自分としては、来季のプログラムに入れられるか、まだ考え切れていないです。もちろん、やる気は結構あるので、中野(園子)先生が言うように、来季中には跳べるようにしてはいきたいのですが......いまは回りっぱなしの状態で、止めて降り方がわからないので、バンバーンと勢いよくこけています!」

 今季わかったのは、気負いすぎると結果が出ないこと。だから来季は「結果は気にせず、やるべきことをしっかりやるということを最優先にやっていこうと思います」と、チャレンジャー精神を忘れずに取り組む覚悟を誓っていた。

 一方の紀平は、シニアデビューを飾った今季、武器のトリプルアクセルをひっさげて大活躍を見せた。2月の四大陸選手権まで国際大会6戦全勝という快挙を成し遂げ、世界選手権でも優勝候補筆頭に挙げられて、国内はもちろん、海外のファン、フィギュア関係者、メディアから大きな注目を集めた。

 だが、SPでは武器のトリプルアクセルが1回転となって規定により0点となり、70.90点の7位と出遅れた。首位とは11.18点の大差がついたが、大技2本を跳ぶ予定のフリーで挽回も可能ではないかという淡い期待も抱かせた。しかし、フリーでも2本目の単独トリプルアクセルで転倒し、トリプルアクセルの成功は1本に終わった。

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