宮原知子、女王の気迫。全日本首位発進も紀平梨花の爆発力を警戒 (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「だんだんいいジャンプが増えてきているので、今シーズン最初に比べると、ポイントポイントで絞れてきています。試合ごとにいろんな気持ちが湧いてくるので、今回はうまくいきましたが、まだまだ自分観察が必要かなと思っています。いつも公式練習の曲かけではあまり失敗したくないんですけど、昨日も今日もあまりよくなかったのですが、曲以外の練習はすごくよかったので『大丈夫』と、ひたすら不安を消すような気持ちでいました」

 NHK杯では、SPでの6.49点差をフリーでひっくり返されて紀平に優勝をさらわれている。それだけにまだ油断はできない。今回はそれよりもわずかに点差が開いて8.01点差となったが、トリプルアクセルという大技2本を持つ紀平の爆発力が計り知れないことは、宮原も重々承知している。

「まだフリーが終わるまでは試合があります。まだ盛り返せたとは思っていないです。ショートとはまったく違うプログラムのフリーでも、また違う自分の演技をしっかり見せて、応援してくれる方たちに自分の気持ちと最高の演技をお見せできるように頑張りたいです」

 自分ができる最高の演技をするしか頂点にたどり着く道はない。そのことを宮原は十分に知っている。

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