羽生結弦、今季フリープログラムは憧れの曲を採用して「原点回帰」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「演技時間が(4分30秒から)4分になって、ジャンプがひとつ減ったから楽になったと思われるかもしれないですが、実際にやってみると4分の方がきついと最近は感じています。3回転ジャンプなら助走からランディングを含めて10秒で跳べる。(実質)20秒削られるということだから、その分忙しくなるんです」

 羽生がこう言うように、とくに後半の4回転サルコウ+3回転トーループからの流れは濃密なものになっている。3つ目の連続ジャンプであるトリプルアクセル+2回転トーループの後にコレオシークエンスが入っているが、そのあとのトリプルアクセル後のつなぎも高度なもので、まるでコレオシークエンスの中にトリプルアクセルが入り込んでいるような内容だ。

 また、ステップは、上半身を大胆に大きく使いながらも、スピードとキレが必要な振り付けになっていて、観ている側の想像力をこれまで以上に掻き立てる滑りになっていた。

 羽生がそんな新たな魅力を見せるこのプログラムを、どのようにまとめてどんな世界観を見せてくれるか。シーズンインが楽しみになる公開練習だった。

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