羽生結弦と、宇野昌磨ら挑戦者との
金メダル争いは「ミス1回の差」

  • 折山淑美●取材・文 text by oriyama Toshimi
  • 坂本 清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 1月25日に行なわれた四大陸フィギュアスケート選手権の男子ショートプログラム(SP)。演技を終えた宇野昌磨は「今までは攻めるという姿勢でやってきたけど、今日は揃えるという気持ちだったと思います。ワクワクするというようなものはなくて、本当に練習通りと思っていました」と振り返った。

逆転されて2位となっても、自信を取り戻したという宇野昌磨(左)逆転されて2位となっても、自信を取り戻したという宇野昌磨(左)「五輪の前だからまとめたいというのはないですが、とりあえず今季はずっと失敗してきたので。どこかでいい演技をしたいという気持ちがすごく強かったのと、そう思って練習をしてきたので、自分に対して『いい演技をさせてあげたい』という、他人事のような気持ちもあって、ついつい丁寧にいってしまうところがありました」

 最初の4回転フリップはGOE加点が少ないながらも成功したが、ステップはエッジを深く入れられず、もたついた感覚があったという。そのため今季は鬼門になっている4回転トーループからの連続ジャンプは4回転+2回転に抑える気持ちで跳ぼうと考えた。終わってみれば4回転+3回転ができる感覚だったのに、2回転で終えていたと苦笑する。

 結局、首位には立ったものの得点はボーヤン・ジン(中国)を0.32点だけ上回る100.49点だった。

「点数を見た瞬間、いろんなミスを犯しているというのはわかった。ステップがレベル2だったり、加点の少なさだったり......。今日よかったのは、トリプルアクセルとスピンだけかなと思います。ただすごく悔しいというよりも、ホッとしたという気持ちもあります。一応ジャンプも転ばなかったので」

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