宇野昌磨は2位に後悔なし。
羽生不在のGPファイナルで収穫ザクザク

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 ショートプログラム(SP)の得点差は1位のネイサン・チェン(アメリカ)から、3位のミハイル・コリヤダ(ロシア)まで4.10点差という混戦だったグランプリ(GP)ファイナル男子の戦い。12月8日のフリーは、各選手がミスを連発する展開になった。

 最初に登場したチェンは、冒頭の4回転ルッツ+3回転トーループをきれいに決めて勢いに乗るかと思われたが、次の4回転フリップで着氷を乱し、サルコウは2回転になるミス。後半になっても、成功確率が高いという理由で2本にした4回転ルッツでステップアウトすると、4回転トーループからの3連続ジャンプの最後が2回転サルコウに。次に予定していたトリプルアクセルを4回転トーループにしてリカバリーを図ったものの、ダウングレードで転倒とミスが続いた。チェンは結局、183.19点にとどまった。

 続くコリヤダは、冒頭の4回転ルッツと4回転サルコウで転倒。トリプルアクセルも着氷を乱して連続ジャンプにできず、最初からミスを連発して182.78点。こうなると、最終滑走の宇野の初優勝への期待が高まった。

地元・名古屋でのGPファイナルのフリーで1位だった宇野昌磨地元・名古屋でのGPファイナルのフリーで1位だった宇野昌磨 6分間練習ではキレのある動きで4回転も軸が細いジャンプをきれいに決めていた宇野は、最初の4回転ループは両足着氷で転倒する滑り出し。だが、「練習でループを失敗するといつもグダグダになって次のサルコウなんて跳べる気にならないんですけど、今日はなぜか跳べる気がしていた」と、シーズン初戦のロンバルディアトロフィー以来プログラムに入れた4回転サルコウを成功。そこからは安定した滑りで、勝利を引き寄せているように見えた。

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