鈴木明子が語る五輪イヤー。羽生結弦、宇野昌磨は「攻めた時に強い」 (2ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

――ロシア大会では羽生選手が4回転ルッツを成功させました。

鈴木 羽生選手にはオリンピック2連覇の期待がかかっています。ソチで金メダルを獲りましたが、大きなミスがあったこともあって、本人は満足していないはず。パーフェクトな演技をしたうえで金メダルを獲って、真の王者になりたいと考えているのではないでしょうか。若手は羽生選手に勝つためにいろいろな技をぶつけてきますが、ブレることなく演技できれば、彼のためのオリンピックになると思います。

 フリーの『SEIMEI』は、ほかの選手がやろうと思ってもできないプログラムです。ショート、フリーの両方とも世界最高得点を出していて、いいイメージがあるはず。しかし、以前のプログラムを持ってきたということは、「過去を超えなきゃいけない」ということ。大変なことですが、それを自身に課しているんじゃないでしょうか。

――宇野昌磨選手は、10月28日から始まるグランプリシリーズ第2戦カナダ大会に出場します。

鈴木 宇野選手は、4回転ジャンプの種類を増やして、アグレッシブに挑戦し続けています。公式練習でうまくいかないときでも、本番には決めてくる。それができるのは、普段から追い込んだ練習をしているから。もちろん、ハマらないときもありますが、少々のことでは崩れない。ここ1年で滑りが非常によくなりました。シニアらしい、伸びるスケートをしています。それが彼の『トゥーランドット』というフリーのプログラムにマッチしています。後半に4回転フリップを入れてきますが、攻め続けるのが彼のスタイルであり、最大の長所だと思います。

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