浅田真央の師・佐藤信夫コーチに学ぶスピン。「誰でもできて、難しい」 (6ページ目)

  • 辛仁夏●構成 text by Synn Yinha  岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

 レイバックスピンとかフライングキャメルとかをやれば、血液が全部、体の先端へ飛んでいくわけですから、頭がカーッとして、ムカムカとなるのは仕方がなく、誰しもが経験することです。目が回ることに慣れることで、スピンという技が完成形となるんです。目は回るんだけど、その中でのバランスの取り方を体が知っていくということです。

 僕が選手時代にスピンをしたら、着ていた半袖の白い下着のシャツに、赤い点々がついていることがありました。何だろうと思ったら、毛細管からにじんで出てきた血液でした。そういう経験を何度かしています。

 ちょっとスピンがうまくいかないとか、体調がよくないというときは、指がむくむこともありました。スピンをすることで遠心力が働き、血液が指の先端に飛んでいくわけですから、指が腫れていくんです。先端に飛んだ血液は本来なら戻ってくるものですが、戻る時間を与えないでグルグル回っていると、そこで渋滞してしまうんです。スケーターなら、みんな経験があるんじゃないですか。

 遠心力やめまいとの勝負はありますが、しっかりと体幹を強化した身体を作れば、スピンを何歳からやっても大丈夫だと思います。ただ、一点だけ気をつけないといけないことがあります。

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