浅田真央は9位発進。女子日本勢がフリーで挽回するために必要なこと

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

冒頭のトリプルアクセルを失敗、SP9位となった浅田真央冒頭のトリプルアクセルを失敗、SP9位となった浅田真央 世界フィギュアスケート選手権女子シングルは、予想通り、フィギュア強豪国・日本、ロシア、アメリカの三つ巴の戦いとなった。

 ショートプログラム(SP)で首位に立ったのは、劇的な逆転勝利で全米女王に返り咲いたグレイシー・ゴールドだ。地元ファンの応援をパワーに変えた20歳は、プログラム序盤からエンジン全開で勢いのあるほぼ完璧な演技を披露。ただひとり技術点で40点台をマークするなど合計76.43点の高得点を出して他を圧倒した。その他、2位のアンナ・ポゴリラヤと3位のエフゲニア・メドベデワのロシア勢も、パーフェクトな演技が光った。

 この日の女子SPでは、勢いのある演技でミスを最小限にとどめた選手たちが上位を占めた。その中で、全日本女王の宮原知子と現役復帰シーズンを戦ってきた元世界女王の浅田真央は、得点源のジャンプで小さいミスを出したほか、演技全体を見ても勢いに乗り切れていなかったように見えた。

 3月26日に18歳になったばかりの宮原は、リラックスしようと演技前に両肩を上下させるしぐさを何度も繰り返していたことからも、かなり緊張していたようだ。そのため、演技全体からはスピードと迫力は感じられず、少々勢いを欠いた部分があったのは否めない。それが得点を伸び悩ませた要因のひとつと言えるのではないだろうか。

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