羽生結弦の背中を追う17歳。宇野昌磨が急成長した要因とは? (3ページ目)
羽生は、3歳下の宇野について「ノービスの頃から一緒に試合をしていて、同世代という感じです。そういう選手が出てきたことはうれしい」と、その躍進を歓迎する。一方の宇野は、羽生のことを「ノービスの時もすごい先輩だと思っていたけど、今では一生勝てない先輩だと思っています」と、謙遜して答えていた。
現在、宇野は4回転の種類を増やすために、サルコウとフリップも練習中だという。同時に、「難しいジャンプを入れることで、表現やスケーティングがおろそかになるのはいやなので、すべて丁寧にやりたい」と、憧れの髙橋大輔のような表現力を身につけることも志している。
宇野は、国際大会のシニアデビューとなった2月の四大陸選手権で5位と健闘。ソチ五輪銅メダリストのデニス・テン(カザフスタン)ら、シニアのトップスケーターとの戦いは大きな糧になったはずだ。3月上旬の世界ジュニア(エストニア・タリン)では、髙橋や織田、小塚、羽生に次ぐ日本人5人目の優勝が目標になる。
宇野の最大の長所、それはいつもスケートのことだけを考えて、競技と真摯に向き合う姿勢だろう。スケート以外は眼中にない。
「スケート以外は何もやらないです。テレビも漫画も見ないし、たまにゲームはするけど、最近は特にはまっているものはないです」
そんな宇野の身長はここ1年で伸び続けている。現在150cm台後半だが「できれば165cmくらいまで伸びてほしい」。そう言って、はにかむような笑顔を見せる17歳のさらなる成長が楽しみだ。
3 / 3