2014.11.10

【フィギュア】村上佳菜子を待つファイナル進出への熾烈な戦い

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

11月特集 フィギュアスケート新時代 (3)

 11月8日のフィギュアスケート、グランプリシリーズの第3戦、中国大会の女子フリー。前日のショートプログラム(SP)でトップに立っていたユリア・リプニツカヤ(ロシア)の演技は、序盤から勢いのないものだった。

 リプニツカヤはふたつ目のジャンプの3回転サルコウで転倒。さらにステップシークエンスでは途中でエッジを氷に引っかけて一瞬止まってしまうミスが出るほど。後半に予定していた3回転+3回転の連続ジャンプは、フリップが1回転になり、次の3回転フリップは跳んだがダウングレードでさらに失速。その後の3回転ルッツも1回転になって手をついてしまい、スピードのない滑りのまま演技を終えた。

中国大会で3位表彰台の村上佳菜子 最終滑走だったリプニツカヤの演技前の時点で、村上佳菜子はエリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)に次ぐ2位。表彰台が確定していたが、リプニツカヤが低調な演技に終わったため、2位もあり得るかと期待が膨らんだ。だが、フリーで村上が4・94点リプニツカヤを上回ったものの、SPと合わせた合計得点では4・18点届かず3位に終わった。

 今大会の村上は、SPで3回転フリップが回転不足になるミスだけに抑えたが、得点は思ったほど伸びず60・44点に止まり「まだまだ練習どおりにできていないし、フリップが跳ねてしまって、うまくはまらなかったのが悔しい」と、反省を口にしていた。同時に、「まだ伸びシロがあるんだと確認できたのはよかった」と前を向く村上は、フリーでの逆転を狙っていた。

 だが、その思いが力みにつながったのか、フリー冒頭の3回転ループは回転不足になってGOE(出来ばえ点)で1・90点減点。続くダブルアクセル+3回転トーループは1回転半+1回転になってしまい、その後のふたつのスピンも丁寧にはこなしたもののスピードが落ちてしまっていた。

 それでも、「最初に失敗した時は焦っていました。今までは、ああなると立て直すことができずにグダグダになっていたけど、今回は立て直すことができたので、少しは成長したかなと思います」と村上自身が言うように、昨季までとは違う力強さがあった。