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井上尚弥から「おいおい!」と反論された中谷潤人のトレーナーがあらためて明言「ジュントを勝者にするため、できる限りのことをする」 (4ページ目)

  • 林壮一●取材・文 text & photo by Soichi Hayashi Sr.

「試合が正式に決まった際の記者会見で、フェイスオフがありましたよね。向かい合った時の表情で、西田選手の本気度というか、覚悟みたいなものを感じました。彼も『人生を見せるぞ』という気持ちでしょう。僕も今まで積み上げてきたものを披露します。そのぶつかり合いになるのかな、と思っています」

 井上が対戦相手として興味を示し、名前を挙げたのはあくまでも中谷だ。本人、そして陣営には酷な事実であろうが、西田は見向きもされていない。それはボクシングの本場、アメリカのメディア、ファンも同様だ。話題になっているのは、あくまでも井上尚弥vs中谷潤人である。

 中谷は西田に圧勝するだろう。筆者は4ラウンド以内にWBCチャンピオンがIBFの赤いベルトを奪うと見る。

 ルディをサポートする、岡辺大介トレーナーも話した。

「西田は、特に怖いものを持った選手ではありませんが、かなりディフェンスを意識してくるでしょう。とはいえ、ジャブの差し合いでアドバンテージを取れなかったら、彼の計算が狂うんじゃないかな。我々がリングをコントロールできますよ。僕はそんな展開を予想しています。まったく侮ってはいませんが、いつもどおり、潤人はやってくれるでしょう」

岡辺大介トレーナー(左)と中谷岡辺大介トレーナー(左)と中谷この記事に関連する写真を見る

 WBCバンタム級チャンピオンが1カ月のキャンプでこなしたスパーリングは、268ラウンド。一般的な日本人世界王者の倍以上である。西田よりも多いことは間違いない。スタイリッシュに見えるが、中谷は心身ともに頑丈だ。

「もちろん、動きがよくないと感じる日もあります。でも、それも自分です。その時、その時の状況において、どういう闘い方ができるかを考えました。本当に、零コンマ何秒間で自分と会話しながらやってきました」

 昇竜の勢いで株を上げ、井上尚弥からも熱い視線を注がれる中谷潤人。有明コロシアムでの2冠統一戦でも進化を示すに違いない。

著者プロフィール

  • 林壮一

    林壮一 (はやし・そういち)

    1969年生まれ。ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するもケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。ネバダ州立大学リノ校、東京大学大学院情報学環教育部にてジャーナリズムを学ぶ。アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(以上、光文社電子書籍)、『神様のリング』『進め! サムライブルー 世の中への扉』『ほめて伸ばすコーチング』(以上、講談社)などがある。

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