フライ級転向の寺地拳四朗が語る次戦とその先 現役は「長くてあと2年くらい」 (2ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke

――もともと攻撃だけではなく、何でもできるオールラウンダーですが、一番自信を持っているのはどこですか?

KT:まずはスタミナと手数の多さですかね。そこは負けないんじゃないかなと思います。練習量も豊富だし、生まれ持ったものもあるのでしょう。長距離とかも得意だし、スタミナでは負けない自信があるから、あのペースで戦えるんですよ。

【唯一、気負った試合は?】

――『リングマガジン』のパウンド・フォー・パウンド・ランキングでは現在11〜15位くらいで、トップ10に手が届くところにいます。また、ライトフライ級では"リングマガジン王者"になり、階級最強と認められていました。

KT:それは、まあ入ればいいなあというくらいで、そこまでのこだわりがあるわけではないです。(リングマガジン王者も)嬉しいですけど、実感はないですね(笑)。

――フライ級に上げた後、標的のひとりになりそうなWBA王者・ユーリ阿久井政悟選手の印象は?

KT:プレスが強いですし、プレッシャーをかけるのがうまいですね。右が強くて、前にガンガンいくけどガードもいい。強いですね。(対戦は)全然あるんじゃないですか。

――同じ世代でボクシング界を牽引している井上尚弥選手は、寺地選手にとってどういう存在なのでしょう?

KT:別格かな、と思います。日本のボクシング界を盛り上げてくれているので、それはすごくいいですよね。階級が違いますし、ライバルとかそういう感じではないですが、マジで強いなと思います。彼を目指しているとかではないですけど、(自分とは)距離があるとは思いますよ。

――寺地選手はいつも淡々としているように見えますが、腹を立てたり、怒ることはあるんでしょうか?

KT:あまりないですね。怒るのって面倒くさいじゃないですか。腹立つことがあっても、それに関わらずに違うことをします。人に執着はしないです。

――試合中に焦ったり、我を忘れた経験は?

KT:焦りはありますよ。そういう状況になったら「もういくしかない」と割り切ることはできますね。気合でいくだけです。(厳しい状況で勝負に)いかない人の試合を見ると、「なんでいかへんのかな」と思いますよ。絶対勝てへんのにいかない人って結構いますけど、なんなんですかね。もう勝てなくてもいいと思っているのか......その考えがすごいなと思います。僕は焦りますもん。スタミナが続く限り、気合で手を出しますから。

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