長州力から「お前にトップ記事をやるよ」元東スポの柴田惣一が語るレスラーの結婚スクープ裏話
(連載3:猪木のひと言で柴田惣一は「千のネクタイを持つ男」に 棚橋弘至との縁も>>)
1982年に東京スポーツ新聞社(東スポ)に入社後、40年以上にわたってプロレス取材を続けている柴田惣一氏。テレビ朝日のプロレス中継番組『ワールドプロレスリング』では全国のプロレスファンに向けて、取材力を駆使したレスラー情報を発信した。
そんな柴田氏が、選りすぐりのプロレスエピソードを披露。連載の第4回は、さまざまなプロレスラーの結婚をスクープしてきた柴田氏に、その裏側を聞いた。
1995年に北朝鮮で開催された「スポーツと平和の祭典」のフィナーレで踊る佐々木健介と北斗晶 photo by 東京スポーツ/アフロこの記事に関連する写真を見る
【長州から「健介と北斗が結婚するから書け」】
――これまでの記事でも伺ってきましたが、やっぱり猪木さんに関するエピソードはたくさんありますね。
柴田:猪木さん自身のエピソードも面白いですけど、周りの人にも影響を与えて人生を変えていますよね。佐々木健介&北斗晶夫妻もそう。あのふたりに愛が生まれたきっかけも、僕も取材に同行した、1995年4月に北朝鮮の平壌で開催された猪木さん主催のイベント、「スポーツと平和の祭典」でした。
――あのイベントでは新日本だけでなく、全日本女子プロレスの試合も行なわれました。
柴田:当時、男性レスラーと女性レスラーが同じリングに立つことは普通ではなかったですけどね。イベントのフィナーレで、出場した選手、関係者、市民のみなさんが平壌の広場に集まったんです。そこで健介と北斗が楽しそうにフォークダンスを踊っていたんですよ。僕はそれを見て、「このふたり、何かおかしい......」とピンきました。ふたりとも情熱的ですから、"恋の炎"を隠しきれなかったんでしょう。
平壌入りする際、名古屋空港からの特別便が出たんですが、ふたりは名古屋駅から空港に行く貸し切りバスのなかで、初めてちゃんと会話をしたらしいです。北斗は「新聞でも雑誌でも自分の記事しか読まないから、ほかのレスラー、まして男子レスラーのことはほとんど知らない」と言っていましたが、すでにそこで波長が合っていたんじゃないですかね。
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