ケンコバが大迫力の6人タッグに感じた「やさしさ」の正体 スコット・ノートンとホーク・ウォリアーとの絆 (3ページ目)

  • 松岡健治●取材・文 text by Matsuoka Kenji

【アニマルが見せた大人のふるまい】

――話を聞いていると、確かにユーミンさんの歌声が聞こえてくるような気が......。

「しかもこの試合は、いわゆる手首、足首の取り合いがまったくなかったのもよかったですね。この6人には、そういった攻防はしてほしくなかったですし、真正面からのぶつかり合いやパワースラムが見たかったですから。ただ、パワー・ウォリアーの佐々木健介だけが浮いていましたね(笑)」

――それぞれのバックボーンを考えたら仕方ないですよ!

「そんな健介が、たまらなく愛おしいんですよ(笑)。実は、入場からも"らしさ"は全開だったんです」

――何があったんですか?

「この試合の入場で、アニマルは大人のふるまいを見せました。ホークは当時、新日本で健介と新たなタッグチーム『ヘルレイザーズ』を結成していたんですが、アニマルは入場の際に一歩引くんですよ。『ロード・ウォリアーズ』で一世を風靡した相方のホークに対して、『自分がケガをして苦労をかけた』という思いがあったんでしょう。入場のステージに3人が並び立つ時に、アニマルは健介に真ん中を譲ります。しかし健介は、それを気にも留めずに『ヘルレイザーズ』の腕をクロスするポーズをとったんですよ(笑)」

――さすがです。

「そして、花道も健介が先頭で先へ先へと進んで、アニマルとホークは『ロード・ウォリアーズ』の復活でも先走ることなく、健介に従うようにゆっくりと歩いていました。最初、東京ドームに流れていたテーマソングは、ヘルレイザーズの入場曲であるオジー・オズボーンの『ヘルレイザー』。ところが、途中でロード・ウォリアーズのテーマソングでブラック・サバスの『アイアンマン』に切り替わりました。

 俺は『そうか!ここでアニマルとホークがダッシュするんや』って思ったら、健介がダッシュしました(笑)。そして、アニマルとホークは後ろをついていく。そんなところが『俺たちの健介』なんですけど、俺は『ウォリアーズは大人やなぁ』と思いましたよ(笑)」

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