ゴロフキンがカネロに完敗で再びミドル級へ。村田諒太が現役続行なら、時代の代わり目にどう関われるのか (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

村田が現役続行したら誰と闘う?

 ただ、マッチアップ的にはチャーロや、過去にも対戦が話題になったトップコンテンダーのハイメ ・ムンギア(メキシコ)、元暫定王者クリス・ユーバンク・ジュニア(英国)といった他のミドル級トップ選手との対戦のほうが面白みはあるだけに、ここでもゴロフキンの選択が気にかかる。

 最後に、少し本題からそれるが、またゴロフキンを軸に展開されそうなミドル級戦線で、今年4月にゴロフキンと闘った村田諒太(帝拳)にも一定のリスペクトが払われていることは付け加えておきたい。

 ゴロフキンに8回KO負けでWBAスーパー王座を失った村田は、まだ去就を明らかにしていない。やはり引退が濃厚に思えるが、復帰を表明した場合、アメリカでも活躍の場はありそうだ。米ボクシングウェブサイト『15rounds.com』を運営するなど長くボクシング界に関わり、その功績を全米ボクシング記者協会から表彰されたマーク・エイブラムス記者はこう語る。

「村田が現役を続けても、どれだけの成功を手にできるかはわからない。ただ、村田はゴロフキン戦で健闘し、好試合ができると証明した。負けたとはいえ、これまでのどの試合よりも評価と知名度を高めたと言える。ムンギア、チャーロと対戦させたら面白い試合になりそうだし、プロモーターも興味を持つだろう」

 ゴロフキンと村田の再戦の機運が高まることは考えにくいものの、ようやく世界的に力量が認められた今の村田が現役続行となれば、他のトップファイターとの対戦のチャンスはある。現在のミドル級には飛び抜けた存在がおらず、WBO王者ジャニベク・アリムハヌリ(カザフスタン )以外に勢いを感じさせる選手も少ない。だからこそ、意外な展開になることも考えられる。

 そういった事情も頭の片隅に置きつつ、ゴロフキンのキャリアが晩年に入ったがゆえに混沌が予想されるミドル級戦線の行方を、もうしばらく注視しておくべきだろう。

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