ウナギ・サヤカは「真逆」のイメージだったプロレスに参戦。恐竜に憧れた少女はリングで暴れることに夢中になった (4ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko

■「一生懸命やらないと、殺される」

 2019年10月5月、東京女子プロレス新木場大会で左肘を脱臼。靭帯を損傷する怪我を負う。全治8カ月と言われ、長期欠場することになった。堕落した日々を送った。

「本当にやることないし、毎日『ウォーキング・デッド』を観ながら、朝6時くらいまで飲んでいて。毎日ベロベロでしたね。お酒飲んでもラーメン食べても、『プロレスラーだから大丈夫!』みたいな(笑)」

 さすがに危機感を覚えた頃、新型コロナウイルスの影響ですべての興行がなくなった。ウナギはレスラーとしては「チャンス!」と思ったという。

「今まで欠場して自分だけがリングに上がれなかったけど、『全員上がれないんだ、ラッキー!』と思いました。1、2カ月では収まりそうもないから、たぶんみんな太るであろうと。ここで敢えて10kgくらい痩せたら、絶対に目立てると思ったんです。4月くらいに1カ月で11kg絞りました」

 大好きなゲームや漫画を封印し、ひたすらトレーニングをした。糖質は一切摂らず、鶏肉と卵とヨーグルトと、ご飯代わりに茹でた大豆のみ。見る見るうちに体重は減り、数字に表れることが楽しかったという。

「痩せるまでは絶対に写真をSNSにアップしないって決めてたので、アップした時はめっちゃびっくりされましたね。10kgって顔とかも変わるので、『整形した』ってめっちゃ言われました。コロナってたぶんみんなマイナスのことしかないと思うんですけど、私はプラスに変えてやろうという感じでしたね」

 2020年9月、東京女子プロレスを退団し、11月、スターダムに初参戦。中野たむ、白川未奈と共にユニット「コズミック・エンジェルズ」を結成する。スターダムに来て、「一生懸命やらないと、殺される」と思ったという。

「全員マジで怖かったです。当時は技も少ないし、『たむさんも、こんなチームにさせられて本当は絶対イヤって思ってるんだろうな』って......。私と未奈ちゃんがすごい叩かれてたので、頑張らないとたむさんが責められる。たむさんに相談とかはめちゃくちゃしてたけど、核心はつけないというか。ガールズトークはするけど、『本当は彼氏いるの?』とは聞けない、みたいな(笑)。最初はたむさんも怖かったし、みんなを恐れてました」

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